1日目の事は、先日(Blogとfacebook)書いて、 2日目の事は、Facebookだけに書いたので、 今日は、遊んだ2日目とは打って変わって、3日目のことを。 朝から、ユニバーサルバレエに行ってきました! 昨年30周年を迎え、韓国では 韓国国立と並んで2大カンパニーの一つです。 ロンドン留学中のクラスメイトだった、韓国人のウンキューが元韓国国立バレエ団のプリンシパルだったので、その流れも含め 国立も行きたかったのですが、残念ながら連絡が上手く付かず、アポが取れませんでした。 ユニバーサルバレエでは、まず芸術監督のBrian Yooさんと数十分話しをしてきました。同じアジア人として、双方の国でのバレエの考えや、ロシアやヨーロッパなどよりスタートが遅い国ならではの考え方など、似たものもあり、また芸術監督として才能も考え方も とても素敵な方でした! カンパニーに隣接して、カンパニーが年末くるみで30公演 満席埋めるという劇場もあり、その先には、幼稚園〜高校まで学校があり、中学校と高校は受験に受かった人だけが入れる、いわゆる芸術学校です。
↑俯瞰の模型。この模型は、幼稚園と、カンパニーが出来る前のもので、更に2つの大きな建物が追加されています。 学校には、バレエ科、美術科、韓国舞踊科などがあり、大きな稽古場が4つ、その他ちょっとした、ウォーミングアップなどに使える小さな稽古場や、音楽の部屋、ちょっとした発表会が出来る小さなホール、美味しいご飯を食べれる食堂など設備は素晴らしいです。(美味しいから食べて行かない?と誘われ、ただ飯頂いてきました!美味かった^^笑) またカンパニーの方には、別でアカデミックスクールがあります。(日本のバレエ教室と同じで、普通の学校に行って、夕方過ぎからのレッスンに通う所)そちらは、誰でも入れて、どちらかというと、こちらの芸術学校の中学高校の受験をする為の準備として通っている生徒が多いようです。 美術科の発表した作品が、展示してある場所があって、バレエ科の子もそういう物を見る機会があり、バレエ科の発表会には、他の科の生徒も見に来たりするようです。
私はコンテのクラスでかなり色んな事をカリキュラムでやります。 動き的なものはもちろんのこと、インプロ(即興)、コレオグラフィ(振付)、ドラマや美術的な事もレッスンに取り入れています。それはもちろん、それが重要な部分の成長の手助けになるからです。 で、もったいないな、と思ったのは、それだけ、違う芸術が隣で行われてるのに、お互いの作品を見る事しか出来ない事です。 せっかくそんな素晴らしい環境があるのだから、もっと接点を持たせたり、バレエ科の子が感性や個性を伸ばすために美術を少しだけでも挑戦する機会があったりしたら尚いいし、、発表会でコラボレーションさせたりしても面白いのになーと思いました。(踊りと美術や音楽などとの関係性を感じたり学べる) まぁ目にし合えるだけでも、よい環境ですがね。 入ったばっかりの中学1年生のクラスを1つ。高校3年生のクラスを2つ。コンクールの為のヴァリエーションのプライベートレッスン1つ。少しずつ見学させてもらいました。 みんな集中してレッスンをしており、先生もエネルギッシュで、且つちょっと見本を見せるととても綺麗だったり、、。 芸術学校としても、韓国の2大学校の一つで、とても人気の高い学校のようです。 バレエ科の受験では、バレエ7割 筆記3割ぐらいで、決まるようです。 何より、厳選された子の集まりという感じで、とにかくスタイルの良い子や足の綺麗な子が多い。 スタートの時点で、不利な子が非常に少ない。 逆に言えば、不利な子の多くはスタートすら切れない。 ロシアを始め、そういう学校は世界的にも沢山あります。 生まれ持った、足の形など、、、 いいレッスンやいい筋肉を付けて行く事や使い方で、良くして行く事や 元々より綺麗に見せれるようには出来ますが、、当然 骨格や身長など、限界はあるし、変えられない部分も多くあります。 舞台に立つダンサーは、いわゆる芸術品でなくてはならない、その変えられない生まれ持った差もレベルのように評価される世界。これは厳しいですが現実です。 ですが、個人的には、そこも分かっていながらも、、それを覆せる人も中にはいるのも事実だし、 欠点があるから、何かをそれ以上に伸ばす切っ掛けになることもあると思います。 確かに日本人、ここ数十年随分綺麗になりましたが、世界でみればまだまだ。(特例のたまにとてつもなく綺麗な人もいるけど) でも 努力で、生まれ持った決して恵まれてるとは言えない体でも成功を収めてる素晴らしいダンサーは沢山います。もちろん指導者や振付家、舞台スタッフを始め、その他の道でバレエで学んだ事を活かすという道もありますし。 日本のバレエ教室やスクールで、あれだけ綺麗なスタイルが揃ってるなんてそうそうあるもんじゃありません。 あれだけの、恵まれた環境もそうそうあるもんじゃありません。 それでも、カンパニーに入れるのは、100人以上から1人〜3人程度だそうです。 (外のカンパニーに就職決まる数は、聞きそびれてしまいましたが) 高校3年生のクラスも、全員がやっぱり違うね〜!って言えるように、飛び抜けて上手かったわけではないし、 コンクールレッスン見た子も、普通にとても綺麗だったけど、日本のレベルの高いコンクールでは決選残れても賞は無理ってレベルでした。(←目安として) (もちろん見てないクラスや他の学年にすごく上手い子もいたりするでしょうが。「今は中3、高1が凄くいいから、本当はそっちを見せてあげたかった」とは言ってました。やっぱり学年で当たり年とかはあるんですね。w) 環境がよいことで、先生が力を発揮しやすかったり、生徒達は多くを学ぶチャンスになると思うので、 そういう意味で、恵まれており、羨ましさを感じるようなものもたくさんありました。 反面、これだけの環境が整っていて、あんなに綺麗なスタイルや足を持ってる子を厳選して入学させているのに、カンパニーに入れる人数やプロになれる人数や、俺が見た子達の踊りを見ると、 バレエって本当に難しい事が、改めてわかります。 同時に、日本のお教室は、設備や環境で勝てる所はそうそうありませんが、 それでも努力家の生徒達や、個の先生の能力や情熱などで、子供達のレベルは 負けない、また勝ことが出来ることも見ての通り事実で(日本人の素晴らしいダンサーは沢山いて、世界で活躍出来てる人もたくさんいる)、 日本だから出来る事、それだけの環境がないから、頭を使い工夫することが日本では重要でもあり、 無いなら作る、絶対に必要ならとにかくやる、絶対じゃないけど 作れないものは違う方法でカバーする(留学も含め)。 そして、何より、生徒も先生も、個の努力が、、そして指導者の個の能力が、やはり基本の中では一番重要である事も、更に確信にかわりました。 環境はいいにこした事はないので、、日本でもよりよい環境作りも目指しながら、 日本には日本の良さもある事も改めて実感出来たし、個の重要性として変わらず努力し、工夫し やって行こうと思いました。 これはユニバーサルだけじゃないけど、自分も他の国も色々見て来た中、海外の良さも同じように感じます。 学校の方をたっぷり見せてもらった後は、カンパニーレッスンとカンパニーのリハを見せてもらってきました。 カンパニー側の建物にも、4つの稽古場があります。(実際にカンパニーが使うのは2つ) 床も踊る為に作られた固すぎないものでした。 稽古場のすぐ横の部屋には、予約をしてコンディションを整える為のマッサージなどが受けられたり治療を受けられる場所があり、小さいながらもウエイトトレーニングが出来る部屋もあります。 これは世界基準として、当たり前だと思います。 が、日本ではまだまだ少ない。新国にも俺がいた時は無かった。専属のトレーナーは(本番の日は待機して)いたけれども、、、(今はさすがにトレーニングルームぐらい出来たかな?) 理由として、保守的だからなのか、、?!なぜでしょう・・・ 20年前、日本のバレエ団にはそんなのは少なくとも当たり前ではなかった。 だから、無くてもいいでしょ。ってなったのか・・? 世界を見てれば、最低限必要な事や、やらなくてはならない事はわかるはずです。 18歳の俺でも、これだけの舞台と稽古場がある国立のカンパニーなのに、なんでトレーニングルームすら作らなかったんだろう?って疑問を持ちました。 (もちろんいい所もたくさんです) もちろん俺が知らない、色々問題や理由があったのかも知れませんが、、。 ただ、、こうだ!って思えて 行動に移せる事、視野の広さや、世界基準がわかる知識や、千里眼があること、 クラシックもコンテにも深い理解があり、また振付が出来ることなど、 そういうのを持ち合わせてるのが、世界的なカンパニーのジュネラルマネージャーや、芸術監督などのスタンダードだと思います。 (日本のバレエ団には、日本の社会としての色んな制約もあるのでしょうが、、。) ユニバーサルでは、古典バレエ、グランドバレエはもちろん、 コンテンポラリーもいい作品をやってます。 バランシンももちろん、キリアン、フォーサイス、オハッド・ナハリン、ナチョ、ハンス・バン・マーネン、ect...いい振付家のいい作品やってます。 世界的な、且つ今の時代にあったものや、今の世界の第一線の振付家の作品を! 偏った作品では、お客さんも育ちません。 有名な作品は、確かに買うのも高いと思います。 でも、いい作品を買って、沢山 お客を入れる方が理想だと思います。 もし、お客が入らないかもしれないから、って時を考えて、高いけど良い作品を買わないと言う考えがあるとしたら、ナンセンスだと思います。(もちろん経営は大変で難しい問題ですが) 先日お亡くなりになってしまった、石井潤先生の梵鐘も、あれだけの装置から衣装まで作って、しかもアジアとして、日本人としての日本の作品!なのに、海外にも持って行かないし、再演も無かった。 もったいない。作品も、衣装も、装置も。 自国のバレエ!これ大事なのに。 更に再演を重ねて、より良く手を加えられて成長していき、海外でツアーや、海外に売れるようになる。そういう方向もあるのに。 日本のバレエはレベルが高いと思ってます。 でも、少なくともコンテは正直ユニバーサルのダンサーの方が上(どちらの国も個人差はあるのでカンパニーのダンサー平均ではとして)だと思いました。(それでもヨーロッパのTOPレベルには及びませんが) その理由は、留学した人以外は、日本でコンテを学べるスクールが少ない事と、留学して学べばいいかもしれないけど、、所詮、留学は平均3年ぐらい?(長い人は話しは別)であり、たった3年のトレーニングや経験で、プロレベルまでコンテを身につけるには期間が少な過ぎます。 クラシックが最低10年からで、、コンテは3年ってそりゃよっぽどセンスや才能無いと無理でしょー。 芸術監督のBrianさんも言ってたけど、後進の育成がとても重要であり、バレエの発展にかなり大切な要素の一つだと思います。 日本 クラシックのレベルは高いんだけど、そこ(特にコンテや個性や独自性などを引き出し伸ばす為のカリキュラム)は手をつけていないスクール(教室・学校)が多いですね・・・ ここ20年で色々変わりましたし、近年日本のバレエ団のトップや指導陣、またスクール等の指導者に、海外を見て来た、若い世代の方々も増えてます。 今までここまで作ってくれた、先生方の功績を大切にしながら世界基準で引き継ぎ、これからの20年でまた更に素晴らしいバレエ界になってくとは思いますし、、その中で責任のある仕事をして行かないとと、改めて思いました。 能力の差は仕方ない部分もあると思いますが、努力 工夫し勉強し、、自分の活動が何かにどこかに誰かに影響力がある事も自覚して、日本全体を個の力の集合体である部分も自覚する人が増えるといいですね。 よりすぐりを、厳選はしてなくても、日本は習い事として底辺はすごく広いのだから。 たまにいるでしょ、、能力も努力も知識も責任も意識も低いのに、ただ上に立ってるだけの人。 ってこの言葉で終わると聞こえがわるいけど、、笑 つまり、先輩達にも、後輩達にも、そして若い子達にも、素晴らしい個が日本にはたくさんいるんだから! 次へ、って事です!期待と願いも込めて。
帰りの飛行機から、韓国の夜景!
Satsuki